ヒック ヒック







「一護…っ、一護ぉ…!!」






ヒック ヒック






死んでしまう、彼が。




自分のせいで、自分を護るために。







ヒック ヒック







「一護…!!」






弱い自分では何も出来ない。






大切な人が目の前で傷つけられているのに。







ヒック ヒック






「一護ぉっ…!!!!」







自分に力があれば。






もっと力があれば。









―――――――力が戻れば。











「…助けたい?」






突然聞こえた声。




自分と同じ――――自分より大人びた声音。




涙で滲んだ視界の向こうに佇んでいたのは。






「ネル…?」




自分と同じ顔の、自分より大人の女の人。






「助けたい?」
「え…」
「彼のこと…助けたい?」





自分と同じ瞳に映った、自分。






小さな自分、――――小さくなってしまった自分。




「…たい…」





―ネル―




「助けたい…」




―大丈夫だ―






「一護を助けたい…!!!」





護ってくれたから。






信じてくれたから。




だから―――




「じゃあ、行こう」




伸ばされた長い指を握った瞬間。



狭まっていた視界が開けた。












「あなたが小さな私を護ってくれたから、この姿に戻れた。…お礼がしたいの」







放の日




今度は、私があなたを護る番