ずしゃり、と金属と砂地が擦れ合う音がイヤーパーツに届く。
それに何か感慨を抱く前に、エックスは前方を睨んだ。
彼の視線の先には巨大な鉄球を構えたメカニロイドが不気味な沈黙を守っている。 そこへ、赤い残像が走った。 次いで一閃二閃と光の軌跡が生み出される。
瞬間メカニロイドの身体は多少のぐらつきを見せたものの、未だ五体満足で健在していた。 「ちっ、頑丈な野郎だ」
「ゼロ」
「どうする、エックス。もう時間もないぜ」 赤き機体、ゼロの問い掛けにエックスは毅然と返した。 「分かっている……一気にカタを着ける!!」 意思の込められた叫びに呼応するように、エックスのアーマーから紅色の光の帯が吹き荒れた。
それにエックスの全身を包まれた次の瞬間、青き機体は黒と金色のアーマーに換装される。
金色のバスターに光が収束されていくのを横で見ていたゼロは口角を上げ、再びメカニロイドへと駆けた。 「シナモン!エックスのチャージが完了するまで時間を稼ぐぞ」
「はいです!」 駆けながら発せられたゼロの声音に、同じく戦列に加わっていた少女型のレプリロイドが背の黄色い羽をはばたかせながら元気よく返す。
そうして繰り出される斬撃と殴打を二人分受けながらも、メカニロイドの腕が徐々に鉄球を頭上へと掲げていく。 だが、メカニロイドの動きが完全に攻撃へとシフトする前に金色の機体のエネルギーチャージが完了を告げた。 「二人とも、離れてくれ!!」 呼び声に素早く飛び退いた赤と黄色に入れ替わるように、金色の風がメカニロイドの前に駆け現れた。 「砕け散れ!!」 怒号と共に限界までチャージされたエネルギーがメカニロイドの装甲を破り、その機体内にまで叩き込まれる。
これには頑強な強度を誇っていた巨体も、ついに膝を着いた。 「終わりだ…!!」
「行くぜ!!」 その隙を見逃さず速攻を掛けた赤と金色の機体により、メカニロイドは完全粉砕されるほかなかった。 「終ったぞ」
「お疲れエックス、ゼロ」
「ああ」
「シナモン、あんた負傷してないだろうね」
「はい!大丈夫です、マリノさん!!」
「三人とも無事で良かった」 戦闘を終えた三人を待機していた他メンバーが出迎える。
辺りは砂塵が止まることなく吹き荒れ、レプリロイドの視覚センサーを持ってしても容易に周囲の状況を把握しきれない状況であった。 「アクセル、施設への入り口は…」
「まだずっと先みたいだよ。この変なコードも伸び続けてるみたいだし」 肩を竦める少年レプリロイドの足元には言葉通り、幾重にも連なったコードとケーブルが半ば砂に埋れながら砂漠の奥地へと続いていた。 「なら、さっさと行くぞ。またあのメカニロイドに出て来られたら厄介だ」
「あ〜…アイツの自爆行動、最悪だもんね」 思考回路に浮かんだ巨大鉄球を携えるメカニロイドの姿に、二人のイレギュラーハンターは揃って渋面を作る。
それを見て苦笑を零したエックスも内心では同意であったため、否はない。 何せあのメカニロイド、戦闘開始から一定時間経つと捨て身でその豪腕を持って巨大鉄球を振り落としてくるのだ。
初めて遭遇した際はうっかり一撃貰ってしまい、あわや全滅の危機に瀕したのは苦い記憶である。 故に取るべき行動はただ一つ。 「二人の言うとおり、これ以上ここで時間を割く訳にはいかない。俺たちのそもそもの目的は妨害電波施設の破壊だ」 エックスはケーブルの続く道なき進路を見据え、眼差しを強めた。 「よし……行くぞ、みんな!!」 砂塵を切り裂くように響いた青き機体の号令に、仲間たちは一斉に頷き返した。
以前日記に上げたvsメルトン戦。 ゲーム中では自爆食らうと即ゲームオーバーなので速攻でリトライしました(爆) ほんとあれは衝撃的なダメージ数値でしたよ…。 密かに赤青の連携が書けたのが満足だったり^^