「ごめんクローム。なんか無理に付き合わせちゃったみたいで…」
「別に平気。犬や千種には言ってあるから」
「そう?」


ほっとしたようにボスが笑う。
それを見て私の顔も緩むのを感じる。


空が橙色に染め上がった夕暮れ時、少し思う事があって散歩に出た。
そうしたら買い物に行く途中のボスと会った。
少しその場で話して、無理を言って同行させてもらった。


「嵐や雨の人は一緒じゃないんだね」
「…?あぁ、獄寺くんや山本のことか。さすがに今は二人とも自分の家に居ると思うよ?てか、俺って二人とワンセットのイメージ大きいのかな…」



まぁ、否定はできないかも…、そう言ってボスが苦笑する横顔を私はいけないと思いつつもじっと見てしまう。



だから、次にボスが言った言葉に咄嗟に反応できなかった。




「あ、クローム。どうせなら俺の家で夕飯食べに来ない?」




私に向かって笑って言うボス。
たぶん、私は目を見開いて固まっているのだろう。



「あ…でも犬さんや千種さんが心配するかな?」


ふとボスの顔が曇る。
だから、咄嗟に答えてしまっていた。



「行く」



勢い込んだ私に驚いたのだろう、目を瞬かせたボスの顔が綻んでいく。


「良かった!荷物持つの手伝ってもらったし、何か御礼したかったからさ」


ボスにだけ荷物を持たせるのは嫌だったから手伝っただけ。
言うなればこれは私のわがまま。
それでもボスは、笑って私に手を伸ばす。



「行こう、クローム」




心の中でそっと連れの二人と自分の主に謝って、私もボスに空いている手を差し出した。






暖かな貴方の顔が見えるこの場所で私も笑っていたいと願うわ




背に夕日を背負って笑うボスの姿が、とても眩しかった